初めに
こんにちは!関西大学体育会本部関大スポーツ編集局(カンスポ)です。今回は、先日閉幕した準硬式野球部春季リーグ戦を担当記者目線でお届けします!
全員の力で
冬の寒さが残る中始まった、今村優真主将(経4)率いる準硬式野球部最後のリーグ戦。今年は『春季リーグ連覇』と『関西選手権優勝』、『全日本選手権大会出場』の3つを目標に掲げた。1カ月間の戦いでは、スターティングメンバーだけではなく、ベンチやスタンドからもそれぞれの立場で役割を果たす。最終4位で連覇は逃したものの、48人で戦い抜いた10試合は今後につながるものとなった。
開幕戦の対同大1回戦は失策も絡んで黒星に。しかし、2回戦では山﨑大輔(商3)の圧巻の完封劇で勝利をつかみ、1勝1敗で開幕節を終えた。第2節では、昨秋の関西選手権王者・立命大と対戦。優勝に向けて、負けられない戦いであることは誰の目にも明白だった。しかし、好投を続ける相手投手の前に走者を出すことができない。投手陣も強力打線を抑え切れず、2戦連続で力負けを喫した。
序盤4試合を終え、成績は1勝3敗。連覇へ暗雲が立ちこめる中、練習でも沈んだ雰囲気が流れていた。そんな空気を変えたのは、森本蓮大(安全3)と奥山楓騎(文3)。練習から一つ一つのプレーに声を出し続け、徐々に関大らしい勢いと明るさが戻ってきた。「2人の空気が周りに浸透していって、雰囲気良く練習に臨めるようになった」と今村主将。第3節では、阪大に2戦連続でコールド勝ちを収める。第4節でも勢いは止まらず、神大戦で5季ぶりに2戦2勝。関西選手権出場へ望みをつなげた。

チームのために
最終節の相手は開幕から7連勝中の宿敵・関学大。関大は、2勝した上で他試合の結果によって関西選手権出場が可能となる。1回戦は2回に安打と暴投から先制点を与えてしまい、2点ビハインドに。関大もチャンスを作るものの、得点が入らない歯がゆい展開が続いた。何としても追いつきたい最終回。先頭打者の福榮陸(経2)が俊足を生かして内野安打をもぎ取ると、ベンチからは大歓声が沸き起こる。さらに代打・清水蓮太(法3)が中前安打で無死一、三塁と好機を拡大。ここで打席に立つのは、リーグ戦を通してチームを鼓舞し続けた堀田桔平(安全2)だ。ベンチとスタンドからはこの日一番の声援が球場に響く。しかし、惜しくも併殺打の1点にとどまった。後続も倒れ、あと1点が届かないまま試合終了。関西選手権出場への道が閉ざされ、選手たちの表情には悔しさだけが残った。
翌日の春季リーグ最終戦。「最後は絶対に関学大に勝とう」。気合十分で試合に挑んだ。4回に先制を許し、5回にも1点を追加されてしまう。そんな苦しい状況でも、必死に声を枯らす関大ベンチ。その中心には、前日に悔しい思いを味わった堀田がいた。ベンチの最前線から声を出し、ランナーコーチのサポートも。仲間が失策をしたときにも歩み寄って励ましの言葉を送り、チームを鼓舞し続けた。それに応えるように、出場メンバーも躍動。これまで1度点差を離されると追いつけなかったが、6回には佐竹俊哉(情3)の犠飛で1点を返す。7回には初スタメンの鈴木陸斗(法3)が犠飛でさらに1点を追加し、ついに同点に追いついた。その後は互いに1歩も譲らない熱戦に。延長戦に突入した10回表、犠飛で勝ち越し点を献上してしまう。そのままスコアを動かすことはできず、惜しくも敗戦。それでもチームが1つになって戦い抜き、収穫を得た試合となった。

「このチームのために」。出場メンバーは自分の成績よりもチームの勝ちのために懸命に戦い、ベンチはピンチの時もチャンスの時も声援と拍手で後押しをする。スタンドメンバーも会場がどんなに遠くても駆け付け、メガホンと共にエールを送った。結束力を体現するその姿は、何よりも輝いていた。スタンドからも応援団と共に声援を送り続け、試合を追うごとにその一体感は増すばかり。スタメン、ベンチ、スタンド、マネージャー。48人で心1つに駆け抜けたこの10試合は、これからの試合を戦う中で大きな力となるに違いない。リーグ4位の関大は、5月から全日本選手権出場を懸けた関西地区トーナメントに挑む。負ければ引退も近づくこれからの試合。全ては、4年生と共に全日の舞台へ戻るために。全員で同じ方向を向き、それぞれの場所からひたむきに戦い抜く。
最後に
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