新作大百科第15回『行った気にさせるよ！N.Y. バーガーズ』

おいしい、確かにおいしいのだが…


いつものハンバーガーに、いつものバーベキューソース(ナゲットについてるやつ)をかけた、ただそれだけ、という感想。おいしいバーガーにおいしいソース、そりゃあおいしいに決まっているのだが、“おいしい”以上の感想は出てこない。ある種われわれがマクドナルドに期待している味である一方、恐ろしいまでに新鮮味に欠ける品であるとは否めないであろう。しいて、どこかに新しい風を感じんとするなら、通常より多く入っているマスタードくらいだろう。


いやはや、バーベキューソースとマスタードの味なら、通常のバーガーにソースを別買いしてかければ済むのでは…？

これはうまいッ!!


名前の通りのスパイシーさとチキンのザクザクが魅力。スパイシー、そう、何よりこのスパイシーさが良い。スパイシーと名乗る商品の多くは、その意を“辛い”と勘違いしているものであるが…このバーガーは本当にスパイシー全振りなのである。辛さは少なく、むしろ甘いくらい。それでも、甘いソースの海に浮かぶスパイスの島々が、我々の食欲と鼻腔、舌先を刺激する。加えて先述のチキンのザクザクさ。個包装の揚げ物と言えば衣がベチャっとしがちだが…ここはさすがの紙包装でザクザクをキープ。さらに、大きめの衣を纏うことでよりザクザクを強調している。


スパイシーソース×ザクザクチキンが織りなす逸品。個人的には、高評価の印を押したい。

行った気にさせるよ！N.Y.バーガーズとはいうが、正直、行った気にはならなかった。このシリーズ三種のうち、ニューヨークを感じなかったのはこの一品である。そもそもレモンがうんたらと謳っているが、バーガー実食時の味覚中、レモンの満たす割合はわずかに2%に足るかどうか。少なくとも、商品名に“レモン”を表題するには能わないだろう。他方本題のえびカツとタルタルソース、こちらはおいしかった。ペースト状になったクリーミーなえびを、カラッとあげたえびカツ、そしてさわやかな味わいのタルタルソース…実に相性抜群である。が、ゆえに、なぜ!!なぜ、もっとレモンの風味を…!!


この商品、もっとレモンの風味が強ければ、そしてえびが大粒なら、素晴らしい商品になっていたように思われる(ただそうすると、モス感が出ちゃうのかな…？)。